工場(生産)場所の違い
S2 シリーズは U.S.A.製、SEシリーズは アジア製
S2シリーズはアメリカの自社工場で製造されています。ここでは、PRSの最先端技術と豊富な経験が活かされ、高品質な製品が生産されています。
一方、SEシリーズ(Hollowbodyモデルを除く)のエレキギターはインドネシアの専用工場でOEM生産されています。この工場では、PRS独自の技術やノウハウがふんだんに取り入れられており、PRSらしい仕上がりを実現しています。
ボディアーチ加工の違い
S2シリーズはAsymmetric Bevel仕上げ、SEシリーズはShallow Violin仕上げ
弾き心地に影響するコンター部分(肘が当たる場所)の仕上げについては、S2シリーズは広い面積でボディエッジを深く落とし込んであります。SEシリーズは浅くアーチを描いた感じの仕上げになっています。


メイプルトップの構成の違い
S2シリーズはセンター2ピース、SEシリーズはメイプルトップ上にフレイムメイプルの化粧板
メイプルトップ&マホガニーバックのモデルの場合、メイプルトップ材はS2、SEシリーズのどちらも1センチ半ばの厚みがあり、このモデルのサウンドに貢献しています。
木目については、S2シリーズは控えめな木目の個体が多く、SEシリーズははっきりした木目の個体が多いです。
また、バック材のマホガニーは、S2シリーズは1ピースの個体がほとんどで、SEシリーズは2~3ピースの個体となっています。
ネック材の構成の違い
S2シリーズはスカーフジョイント、SEシリーズは3ピース
ネックはピッキングのニュアンスや音の抜け方やサウンドに大きく影響する大事な部分です。さらに弦の張力に負けない強度も必要となりますので、ギター全体でも非常に重要な部分となります。
S2シリーズの場合は、上位機種と同じ場所で製作されていることもあって、より上質なネック材を使用することが出来ます。加工方法はスカーフジョイントと呼ばれるもので、ネック付近で木材をカットして向きを変えてネックの製作を進めていきます。この加工は、削る量が少なく木材を無駄にしないのでコスト面でもメリットがあります。また同じ木材で1つのネックが製作されるのでサウンドや鳴りのバランスも引けを取りません。
SEシリーズの場合は、スカーフジョイントのモデル(SE Silver Sky etc.)もありますが、大体は3ピース構成となっています。これによってネックの強度を高めています。


塗装の違い
S2シリーズはラッカー塗装、SEシリーズはウレタン塗装
塗装の種類と厚みはサウンドやギターの鳴りに大きく関係していて、薄くて硬くて、透明感のある仕上がりを理想としています。S2の場合はCOREなど上位モデルと同様の極薄ラッカー塗装がされています。SEは硬いウレタン塗装がなされています。
ナットの違い
ナットは弦の接点としてサウンドやネックの鳴りに大きく影響します。S2とSEのナットはそれぞれオリジナルのものが使われています。机に転がした時の音を聴き比べてみると、S2のナットの方が芯のある太い音がします。
サウンドとパーツの違い
S2シリーズはU.S.A.製ピックアップ、SEシリーズはSE専用ピックアップ
2024年ごろまでは、同じモデルであればS2シリーズとSEシリーズは同様のピックアップが搭載されていました。しかし、S2シリーズのアップデートによって、現在は違うピックアップが搭載されています。
S2シリーズは上位モデルと同様に自社工場内で作られているU.S.A.製のものが搭載されています。SEシリーズはそのU.S.A.製ピックアップのキャラクターを元に設計・製造されたものが搭載されています。
同じタイプのピックアップでのS2とSEの違いについては、U.S.A.製ピックアップの方が解像度が高く豊かな倍音が出ていますので、よりニュアンスが出しやすいでしょう。
また、パーツ類についても、S2シリーズには上位モデル同様のペグやセレクター類が採用され、ハイエンドギター同等の操作性となっています。
まとめ
■ 1:工場(生産場所)
S2:U.S.A. PRS本社工場
熟練スタッフによる高品質な作り
SE:アジア(インドネシア専用工場)でOEM生産
PRS独自技術・品質管理を導入
安定した量産クオリティ
■2. ボディアーチ加工(トップの削り方)
S2:Asymmetric Bevel(深い面取り)
広い面積でエッジを深く落とし込むから、肘の当たりが柔らかい
SE:Shallow Violin(浅いアーチ)
やや浅めのアーチ形状で、S2よりは角が残る仕上げ
■ 3. メイプルトップ材の構成
S2:センター2ピースのソリッドメイプルトップ
バック材は1ピースマホガニーが多い
SE:メイプルトップ+化粧板(フレイムメイプル)
木目が強めで見栄えが良い
バック材は2〜3ピースがほとんど
■ 4. ネック材の構成
S2:スカーフジョイント(上質材を使用)
木材ロスが少なく、強度も高い
COREモデルと同等のフレット、エッジの仕上げ
SE:3ピース構成(※モデルによりスカーフも存在)
3ピースによって強度を確保
■ 5. 塗装の違い
S2:ラッカー塗装/Nitro (2024年~)
薄く硬い塗膜でギターの自然な鳴り
SE:ウレタン塗装
ある程度の厚みがあり耐久性に優れる
■ 6. ナットの違い
S2:オリジナルナット
転がした時の「音」が硬質
ネックの鳴りに優れた高品質
SE:オリジナルナット
コストと強度とサウンドのバランスを取った素材
■7. ピックアップの違い
S2シリーズ:U.S.A.製ピックアップ(2024年~)
上位モデルと同じく、自社工場で製造された高品位ピックアップ
解像度が高く、豊かな倍音
SEシリーズ:SE専用ピックアップ
U.S.A.製ピックアップのキャラクターを踏襲しつつ、海外工場で設計・製造
■8. パーツの違い
S2シリーズ:上位モデル同等のペグ、セレクター類を採用
COREモデル同様の高品質のパーツ
SEシリーズ:専用の実用的なパーツ構成
ロック式ペグなどのアップグレードの余地あり
店頭でこの違いを実感してみて下さい。
仕様比較表



ブログでもいろいろと書いていますのでご覧ください。

