PaulReedSmithのコイルタップについて
こんにちは、GOLD STAR 松原です。
ハムバッカーならではの配線方法に、「コイルタップ」があります。
本来のハムバッカーの音に加え、片側のボビンをキャンセルする事によりシングルピックアップの様な音に出来るという物です。構造が違いますのでシングルピックアップとは音色が違いますが、「ちょっとだけストラトっぽい音が欲しい」という方や「2本のギターを使い分けるのが面倒くさい」という方でこのシステムを重宝する方が多いのではないでしょうか?
反対に、「このギター、コイルタップが出来るんだけど使ってない。」とか「そういえば、コイルタップ出来たんだよね!?このギターって」 という具合に、身近に感じないまま過ごされている方も多いのではないでしょうか?
また、タップを使わない方の中には、「ハムバッカーとの音量差が大きいから、使いづらいんだよね」 とか 「タップした時に音圧が下がりすぎて、使える音色ではないよね」 という意見も聞きます。
Pau Reed Smith は2012年頃からコイルタップ時の音圧や音量の差を解消する為に、ある工夫をしています。
従来の方法
以前のPRSをはじめ、殆どのメーカーはキャンセルする側のコイルの信号をそのままアースに流します。 ですので、コイルタップ時はキャンセルされていない側のコイルのみの音となります。
現在
キャンセルする側のコイルの信号が抵抗器(抵抗)を経由してアースに流れるようになっています。つまりすべての信号がアースに流れるのではなく、”抵抗器を通過しない音の成分は残る”という事になります。ですので、コイルタップ時の実際の音は「キャンセルされていないコイルの音 + キャンセルされたコイルの残り分」という事です。これにより、コイルタップ時の音量や音圧の落差は随分解消されています。
しかも、フロント、リア用に違う数値の抵抗器を使用しています。(フロント側1.1k、リア側2.2k)
ここまで細かな部分まで、拘っているメーカーがあるでしょうか?
ちょっとマニアックです!!
一般的なコイルタップが「ペラペラだけどシングルっぽい音」だとすると、PRSの配線は「シングルらしさが少なくなったけど使い易い音」です。曲の途中で切り替えした時の使い易さはなかなかのモノですよ。
ちなみに、当店に来られたPRSユーザーの方々は 「”センター&リアのタップの音”が気に入っている」 という意見が多いですよ。
コイルタップが出来るギターをお持ちの方は、試してみても面白いかもしれませんね!!