構造が音を決める。フルアコ、セミアコ、セミホローの違い
「キングダム」のTVシリーズが始まっていますが、一番好きな戦いのシリーズでして、1回の放送時間30分が一瞬に感じます!!
ギターの音色は、その構造によって大きく変わりますが、今回はフルアコ、セミアコ、セミホローの違いについて、構造的な特徴と音色の違いをざっくり解説します。
構造の違いは単なる設計の違いではなく、音楽表現の可能性そのものを決定するといっても過言ではありません。
大まかに分けると…
- フルアコは、温かみと深みを最大限に引き出す
- セミアコは、ジャズやブルースからロックまで万能に対応する
- セミホロウは、ソリッドの演奏性と箱鳴りっぽさが感じられる
となります。
フルアコ

主な特徴
・ボディ:内部全体が空洞になっている。
・ブリッジの取り付け方:弦の圧力のみで止まっている(伝統的なモデル)。弦を外したり、緩めていくと動きます。
・ふくよかで甘い音色: 空洞全体が共鳴し、豊かな倍音と深みのある響き。
・アコースティックな生鳴り: サイズにもよりますが、アンプなしでもある程度の音量で演奏出来ます。
・メロウなトーン: カドの取れたアタック感で温かみのある音色。
注意点: 大音量では共鳴によるハウリングが起こりやすく、激しい歪みではコントロールしずらいです。
セミアコ

主な特徴
・ボディ:センターブロックと呼ばれる木のかたまりがボディ中央に配置されている。センターブロックに使う木材の種類、構成、加工の違いでサウンドや重量に大きく影響します。
・ブリッジの取り付け方:センターブロックにマウント
・ボディ厚:レスポールと同程度でフルアコより薄い。
・適度なエアー感:フルアコほどではないが、ソリッドにはない空気感
・暖かく丸みのある音:空洞部分による豊かな響きとセンターブロックによる引き締まった芯の強さが共存。
・歪みとの相性良好:クランチからオーバードライブまで扱いやすい。
セミホロー
主な特徴
・ボディ:ソリッドボディ材を部分的にくり抜いてサウンドに空気感を持たせている。
・ソリッドとの違和感がない:ほとんどがソリッドギターと同サイズなので、演奏性が変わらない。
・ソリッドとホローの中間的な音:ソリッド寄りだが、適度な空気感がある。ピッキング時もカドの取れたニュアンスになっている。
・柔軟に音作りできる:ソリッドギターの感覚で幅広い音作りができる。
まとめ
| 特徴 | フルアコ | セミアコ | ホローボディ |
|---|---|---|---|
| 空洞の量 | 全体が空洞 | 左右に空洞 | 部分的に空洞 |
| 箱鳴り感 | 最大 | 中程度 | 軽度〜中程度 |
| 音の芯 | 柔らかい | しっかりしている | ソリッド寄り |
| ハウリング耐性 | 弱い | まあまあ強い | 強い |
| 歪みとの相性 | 苦手 | 良好 | 良好 |
| 重量 | 軽〜中 | 使用木材で差がある | 使用木材で差がある |
自分の演奏スタイルや求める音色に合わせて、最適な構造のギターを選ぶことが、理想のサウンドや音楽表現への近道かと思います。まずは実際に弾き比べてみて、それぞれの音色の違いを体感してみて下さい!




