サテン仕上げとグロス仕上げ、何が違う?
ギターを選んでいると、「艶あり(グロス)」と「艶なし(サテン)」という表記を目にすることがあります。
見た目の違いは何となく分かるけれど、「実際に何が違うのか」「自分にはどちらが向いているのか」までは、意外と分かりにくいものです。
この記事では、艶あり・艶なしそれぞれの特徴や違いを簡単にご紹介します。自分の弾き方や好みに合うのはどちらなのかのヒントにして下さい。
見た目・触り心地の違い


艶あり:
・木目やカラーが映える
・照明などの光の反射で立体感が出る
・指紋が分かりやすい
・ポリッシュで綺麗に仕上げられる
艶なし:
・サラサラした手触り
・木の振動がダイレクトに感じられる
・「しばらく弾くと吸い付く感じになる」という意見も多い
・(演奏/クリーニングなどで)よく触る場所が“磨かれて”艶がでてくる
音に違いはある?
艶あり:全体に煌びやかなサウンドで、低音が締まってまとまりが良くなる感じる傾向がある
艶なし:煌びやかさが落ち着いたサウンドで、生っぽい雰囲気がする傾向がある
*音の違いは試奏されるお客様によって感じ方が様々で、傾向としては「ニュアンスがちょっと違うかな‥」と感じる方が多いです。
塗装が音に与える影響
ギターの塗装には、木材を外気から守るという大切な役割があります。それと同時にギターの鳴り方にも少なからず関わっています。というのも、塗装の厚みや硬さによって、木材の鳴りが変わってくるからです。
たとえば、大量生産を前提としたギターの場合、耐久性や作業効率を重視して、やや厚めで硬い塗膜が使われることがあります。そうすると、振動が少し抑えられて、「音がタイト」「やや硬めに感じる」こともあります。
一方で、ボディ本来の鳴りを活かそうとすると、塗装はできるだけ薄く、ムラなく仕上げる必要があります。ただしそれには、設備や職人の技術、そして時間が欠かせません。当然、その分コストもかかってきます。
さらに、ラッカー系かポリ系かといった塗料の違いでも、音の立ち上がりや響き方の印象は変わります。メーカーやモデルごとに塗装の考え方が違うのも、ギター選びの面白いところですね。
最後に
艶あり・艶なしによる違いは、決して「どちらが正解」というものではありません。塗装の厚みや素材、そして弾く人の好みによって、その感じ方は変わってきます。
だからこそ、ぜひ実際に弾いて、その違いを体感してみてください。
また、「見た目が気に入ったから」という理由で選ぶのもひとつの方法ですよ!


