サテン仕上げとグロス仕上げ、何が違う?

 ギターのクリア塗装の仕上がりには、グロス(艶アリ)仕上げとサテン(艶なし)仕上げがありますが、どちらが好みですか?

ギターにとっての塗装

 クリア塗装は木材を外気から守る役割がありますが、ギターの音にも大きく影響を与えます。これは、塗膜の厚さや硬さが木材の振動に影響を及ぼすからでしょう。

 例えば、大量生産のギターでは、厚くて硬い塗膜が木の振動を抑え、結果として「鳴りが悪く硬い音」になりがちです。しかし、ボディの鳴りを引き出すために塗装を薄くするには、適切な設備や職人の技術、時間が必要であり、コストもかかります。

さらに、ラッカー系やポリ系などの塗料の選択によっても音の雰囲気が変わります。各メーカーやモデルによって、どのような塗装作業が行われているかは異なるため、非常に興味深い点です。

サテン仕上げとグロス仕上げの違い

 サテン仕上げとグロス仕上げの違いについて簡潔に説明しますと・・・、

 まず、サテン仕上げはサラサラとした手触りで、演奏やクリーニングによる摩擦で徐々にツヤが出てきます。一方、グロス仕上げは光沢があり、滑らかな手触りが特徴です。

 音の響き方にも違いがあります。グロス仕上げは木材の響きが引き締まり、煌びやかなサウンドを生み出します。一方、サテン仕上げは自然な響きで、高音の煌びやかさが控えめになり、少し落ち着いた雰囲気を持っています。

 どちらが良いかは好みによります。例えば、ジョン・メイヤーはサテン仕上げとグロス仕上げを使い分けています。また、実際に試奏した方々の反応を見ても、どちらが優れているというよりは個々の好みによる選択が多いようです。

 よければ弾き比べてみて下さい!