2024 S2 CUSTOM24-08

 前記事にもありますが、Paul Reed Smithのアメリカ工場で生産されている S2シリーズがアップグレードされました。

 主な内容として、電装系ではピックアップがアジア製からU.S.A.製へ変更 (VelaのDS-1は不明)とそれに伴うアッセンブリーの変更、塗装面では正式にオールラッカー(High-Gloss Nitro)塗装となった点です。

 もともとギターとして高いポテンシャルを待っているS2シリーズですが、今回のアップグレードによっていっそうギターとしての総合力が持ち上げられています。

 今回はそんなS2シリーズの中でも、サウンド面を大きく変更された “S2 CUSTOM24-08” をご紹介します。

S2 CUSTOM24-08 とは

(SE、COREモデルは変更内容やタイミングがそれぞれなので今回は省略しています)

 S2 CUSTOM24-08は S2 CUSTOM24の別バリエーションモデル的な存在で、S2 CUSTOM24はトーンポットでコイル・タップが出来、S2 CUSTOM24-08は各ピックアップ用ミニスイッチでコイル・タップが出来るという違いがありました。ピックアップはどちらも”85/15S”でした。

 S2 CUSTOM24が 6通りの音が出せるのに対し、S2 CUSTOM24-08は8通り(リア・ハム+フロント・タップ、リア・タップ+フロント・ハムを加えた)の音が出せます。

 タップについては、片側のボビンをそのままキャンセルする一般的な仕組みではなく、キャンセルする側に抵抗器を付け信号をある程度残すことで、音圧や音量の落差が少なくなっています。

 シングルっぽいニュアンスとは違ってきますが、「ハムバッカーのサウンドを活かしつつ、少しテイストを変える」という使い方が出来るシステムです。

新たに搭載された “TCI” ピックアップ

 今回のアップグレードによって、ピックアップが ”85/15S” から ”TCI”というものに変更されました。コンパクトなデザインも独特です。

 ”TCI” はポール・リード・スミス本人のシグネイチャーモデル Paul`s GuitarやCORE CUSTOM24-08に搭載されている物で、ある程度の年月が経ち評価され続けているピックアップです。

 個人的には、”ミニハムのテイストがある ハムバッカー”といった印象です。ボビンのポールピースの間隔が狭いこともあってか、ピッキングによる弦振動の暴れる感じが少なく音圧が少し抑えられたような感じがします。

 そして、音抜けがとてもスムーズで各音のバランスが良く、ソロや単音のフレーズが心地良く弾けます。抵抗値は “85/15” とほぼ同じでそれなりに出力はあります。

 このまま作り続けていけば、新たなハムバッカ-・サウンドとして認知されていくピックアップだと思います。

S2 CUSTOM24-08はこんな方におすすめ

・ハムバッカーの音圧感が強すぎると感じている方

・音が暴れて使いにくいと感じている方

・ボーカルメインだけどソロもある曲を演奏する時

・トリオで演奏する時

におすすめします。

あと、「ハムバッカーのサウンドをもっと追求してみたい!」という方にもお試しいただきたいです!