ネックは”柾目”、”板目”のどちらが良いのか?
ネックは”柾目”か”板目”のどちらが良いのか?
当店でもしばしば話題となる話しですが、皆さんはどう思いますか?
以前の私は「ネックはやっぱり”柾目”の方が良いに決まっている」と思っていました。PRSやGibsonをはじめ、Fenderのカスタムショップやマスタービルドなどの上位モデルでも”柾目”ネックが多く採用されていますよね。それだけ信頼があるからこその基準だと感じていたのです。
ただ、実際には”柾目”のネックにもネジれるものがありますし、”板目”ネックでも驚くほど真っ直ぐで優れたものも少なくないことに気付きました。
そして、ネック選びで重要なことは、”柾目”か”板目”などの木取りうんぬん以上に「徹底した下処理」や「仕上げの技術」だと考えるようになりました。
どちらの木取りであっても、良質な素材を適切に準備した上でじっくりと丁寧に製作すれば、素晴らしいネックを作り上げることができるのではないでしょうか。そして、それ以降の性能や状態については、おそらく周囲の環境や持ち主による扱い、さらには運による部分も影響してくるのではと思います。
また、メーカーや製作家によって重要視する工程や素材へのこだわり、製造プロセスにおける優先順位は異なります。たとえば、「どんな材質を使い」「どれだけ丹念な下処理を行い」「どこまで時間や手間をかけて作るか」という点は、それぞれの製作者の考え方や哲学に左右されるでしょう。
結果として、このようなアプローチの違いが、年数が経った後の音質やコンディションの変化に影響を及ぼす可能性があるのがまた興味深いところです。
ギターという楽器をこのような視点で捉えるのも新たな楽しみ方ではないでしょうか!