安定感のある Silver Sky のブリッジ

 店主です。周年祭では多くの方にお祝いの言葉やご利用いただき誠にありがとうございました!

 来年の15周年に向けてさらに精進していきますので、引き続きお付き合い下さい!

 PRSのギターは細部にまで気を配ってギターを設計・製作していることもあってか、Silver Skyを試された方からも「持ったり演奏したりしている時に安定感がある」と言われることがあります。

 何を指してそう感じるのかは人それぞれかと思いますが、個人的に安定感の要因の1つだと感じているSilver Sky専用トレモロ・ユニットについて紹介したいと思います。

トレモロ・ユニットはギターのサウンドに影響する

 そもそもですが、トレモロ・ユニットは弦との接点に近い部分ということもあってサウンドに影響します。

 弦との接点であるサドルの材質や形状の違いはもちろん、トレモロブロックの材質の違いやボディとの接し方の違い(フローティング、ベタ付けなど)で振動の響き方やサウンドも違いがあります。トレモロスプリングを変えるだけで変化を感じることもあります。

Silver Skyのトレモロ・ユニット

 Silver Skyのトレモロ・ユニットは、USAモデルとSEモデルで違う物が搭載されていますが、USAモデルの場合 ”1963〜64年頃のストラトのサウンドを継承” というこのモデルのコンセプトが反映されたデザインとなっています。

 細かく見ていくと、PRSらしい細部へのこだわりが発見出来ます。

ブリッジプレートの溝でサドルの横ズレを防いでいる
ナイフエッジでアーム時の動きが滑らかに。アームがフィットする樹脂の差し込み部品が使用されていて、アーミング時にカタカタしません。
スチール製のトレモロブロック。音の芯の太さに影響している印象があります。
裏パネル無しなので、弦交換でボールエンドが引っ掛かるストレスが無く、スプリングの調整も素早く行えます。目に入ることになるので、ザグリ内部まできちんと塗装されています。トレモロブロックも塗装がされています。

SE Silver Skyのトレモロ・ユニット

 SE Silver Skyのトレモロ・ユニットの場合は、調整がしやすい2点支持での取り付けがされています。バックパネルが付けられています。トレモロブロックもスチールではない材料となっています。

プレートの1弦と6弦のサドル下に溝が入っていて、サドルの横ズレが軽減されている。ユニットの取付けは2点支持。
一般的なギター同様にバックパネルが付いています。トレモロブロックは鋳物と思われます。
最後に

 USAモデルのトレモロ・ユニットはコンセプトに拘って設計されており、SEモデルはコストの制限がある中でのSilver Skyとしての最適解を導き出して設計されているのではといった印象です。

 また共通点として、ブリッジ・サドルの横ズレを軽減するために溝を設けてあったり、アーミング時にガタつかないような樹脂製の差込みパーツが使われていたりと、プレイアビリティに影響する部分であることも興味深いです。