2019~2020年製のCUSTOM24を比較してみました。

今年はコロナウイルス感染による巣ごもりでギターを始めた方や、始めようとしている方も多いのではないでしょうか? 聴いた話によるとPRSは世界的に品切れ状態だったみたいです! このままPRSのファンが増えていくと良いです!

2020年のPaulReedSmithは創業35周年ということでニューモデルやモデルチェンジや記念モデル作製などのいろいろな活動を行っていました。もしコロナ渦でなかったら、Experience PRSが開催されていっそう盛り上ったことでしょう。

そんなPRSの過渡期となるここ1年間のCUSTOM24 モデルの違いをあらためて検証してみました。

ここ1年のPRS全体の大きな変化はピックアップの刷新と塗装変更というサウンドに大きく影響する内容でした。ピックアップはワイヤリング技術を見直して開発、TCI(チューンド・キャパシタンス・アンド・インダクタンス)と名付けられています。またU.S.A.製モデルの塗装が変更になり、トップコートがラッカー(NOC/Nitro Over Cellulose)になりました。”2020年バージョン”と言われているのは”TCI” “ラッカー塗装”になっているバージョンのものを指しています。

A : 2019年後半製 ~CUSTOM24・・・・ 2020年バージョンに先駆けてプロモーション用?として作られたもの。Aが出るまでの2020年バージョン同仕様と思います。

B : 2020年製 CUSTOM24 (最新版) ・・・・2020年バージョンに加えてペグが「Tweaked Phase III」 というPhaseⅢのアレンジ版が搭載されています。旧バージョンのMcCarty594に標準装備されていたタイプです。

C : 2019年製 CUSTOM24 ・・・・旧バージョン。

<AとCの音の違い>

ピッキングに対するリアクションの良さや音の抜けの良さは変わりませんが、Aの方が弦ごとの聴感上のバラつきが少なく、高音での耳に突き刺さる感じが少なくなりました。また、Cは弾いたままの音がそのまま一気に耳に入ってくる感覚なのに対し、Aは音の芯はストレートに耳に入ってくるけど”ちょっと含みを持たせた”感じがします。少し奥行感があり、聴感上のバランスの取れた耳障りの良いサウンドです。直アンプでクリーントーンで勝負するならこのAが良いかもしれません。逆に空間系エフェクターをしっかり掛けるならCの方が良いかもしれません。

<AとBの音の違い>

この2つはペグのバージョンが違うだけですが、弾き比べると音のニュアンスの違いがありました。Bは中低音付近がギュッと引き締まり、微妙に「ゴンっ」というニュアンスが加わります。単音でのコシが出し易いかと思います。

Bに付いているペグ「Tweaked Phase III」は本体内のパーツの振動を抑え込む構造になっているので振動によるロスが少なくなると言われています。(以前に同じギターでペグだけ付け替えて見て検証したのですが、やはり違いを確認できました)

<最後に>

PRSのギターは仕様変更されても、細かい部分が多くて区別が付けにくいと思います。しかも今回の様に生産時期が少し違うだけでも変化のある”目が離せないメーカー”です:汗。 しかし、実際に弾いたり音を聴いてみると、それぞれの特徴があり、使い方や出したい音色を基準に個体を決められるレベルにあると思いました。個人的な感想としては、現在のCUSTOM24はギターとしてかなり整ってきていて、クリーンサウンドが気持ち良くなったなと感じます。逆にハードなジャンルだとアレンジを加えないと物足りないかもしれません・・・。

参考にしていただければ幸いです!