乾燥する季節のギターのケア

地域にもよりますが、太平洋側はこれからの冬から春先にかけて乾燥する季節となります。乾燥しているとギターの響きが良い感じになりますが、乾燥しすぎると指板や塗装割れ、ボディ割れのリスクが上がります。

“どういう楽器が危険?”

乾燥した状態が続くと、アコギのボディが木目にそって割れる危険性があります。塗装についてはラッカー塗装をしているギターにクラックが入りやすいです。特にオールラッカー塗装の楽器は要注意です。(マーチン、ギブソン、フェンダーなど) ハイグレードモデルほどデリケートなので、所有している方は普段以上に気を遣うのではないでしょうか?

“どうして?”

木材はギターとして完成した後でも呼吸しています。水分を吸ったり吐いたりしていますし、温度によって膨張したり縮むなどの変化をします。同じく、塗装面も温度によって硬さが変化します。ただ、変化するタイミングや度合いはバラバラです。クラックは木材と塗装の変化の仕方のズレが大きな原因だそうです。変化のスピードが速くなるほど危険です。
ラッカー塗装は温度の変化に敏感なので、特に注意が必要です。

“理想的な環境とは?”

ギターをベースにとっての最適湿度は40~60%と言われています。さらに温度や湿度の変動が少ない方が望ましいです。ですので、加湿器と空調をつけっぱなしにして、常に一定の温度と湿度にするのが理想的です。
「それはなかなか難しい…」という方には、弾き終わったらハードケースに調整剤とともに閉まっておくことをおススメしています。ケースに入れておくことで、温度や湿度の変化のスピードを軽減させる事が出来ます。

“その他の対策”

*ワックス(ポリッシュ)でコーティングする。
 実際の効果ははっきりしませんが、保護成分の入ったワックスでボディやネックを拭いておくと良いかもしれません。
*レモンオイル、オレンジオイル指板に塗っておく。
 ローズやエボニー指板は塗装されておらず、直接外気に触れており、水分の出入りがしやすい場所です。オイルを塗っておくことで、水分の出入りを抑えたり保湿しておくと良いでしょう。