身体にめちゃフィットする、軽快なギター

 ビザールギターを連想させるデザインに、気軽に弾く楽しみが味わえるPaulReedSmithの意欲作です。PRSのラインナップの中ではテイストがちょっと違うモデルだけに見逃されがちですが、Velaはアメリカではとても人気があってロングセラー・モデルです。そして、セミホローボディに要求される魅力もしっかり押さえられているのがこのVela Semi-Hollow。

 ホロータイプで軽いギターはいくつかありますが、このVela Semi-Hollowほどに身体にフィットするギターはなかなかありません。 ギターの重量は2.5~2.7kgくらいですが、実際に抱えてみるとそれ以上に軽く感じます。ちょっとだけのつもりが、いつまでも弾いていたくなるでしょう! 
 クリアでサウンドのバランスも良いので、クリーンやクランチでこのギターをご堪能下さい。(Fender Thinlineのサウンドが好きな方にも気に入って頂けると思います。)

Vela Semi-Hollow の主な特徴
1、左右非対称のボディシェイプ

 カッタウェイの角も長めで、全体に面長な独特のボディ・デザイン。他モデル同様に大きくコンター加工がされていて身体にフィットします。

2、バランスの良いボディのホロー面積

 ピックガード下も広い範囲でザグられていて、空気層の面積は結構大きいです。(ブリッジ下より奥の状況が分からないので予想ですが、大まかには下画像の黄色い点線の部分が空洞となっています。)

 このザグリ箇所のおかげか、重心のバランスが良く軽いホローギターにありがちな”ヘッド落ち”がほとんどありません。なので、無意識に左手でネックを支えることなく演奏に没頭できます!

3、ブリッジサドル

 コマが3弦ごとに1体化していますので、1本の弦だけを弾いても他弦と共振して音の色々な成分が加わります。それにより軽くてもサウンドが細くなりません。素材はPRSお馴染みのブラス材です。(弦を張る時はボールエンドを引っ掛けるだけなので超簡単です)

4、塗装

 塗装の種類と厚みはサウンドやギターの鳴りに大きく関係しています。PRSとしてはサウンド面では薄くて硬くて(薄すぎてもダメみたいです)、透明感のある仕上がりが理想のようです。Vela Semi-Hollow はトップコートまで塗装した時点での塗膜は髪の毛2本以下というかなりの薄さです。(COREモデルと同じ塗装が行われています)。

5、ピックアップ、サウンド

 ピックアップはどちらもオリジナル・デザインのものを搭載。フロントはシングルコイルですが、芯が太く音抜けもしますのでソロプレイでも充分聴かせられます。リアピックアップはプッシュ・プル・スイッチで切替が出来ますが、コイルタップONの時にはちょっとモダンなシンラインっぽい雰囲気になります。 全体のサウンドはストレートでクリアなサウンドといった印象です。そしてなんとなくテレキャスターっぽさがあります。

カバードなのにスラッグ側のポールピースも出ていて、フロントピックアップも含めてビザールっぽさを演出したデザインとなっています。

この気軽に弾ける快適さと心地良い音色をぜひ実機を試してお確かめください!!