PaulReedSmith “McCarty594″と”McCarty SC 594” の違い

2016年の発売開始から高い評判を維持している「McCarty 594」ですが、ヒットモデルの証とも言える”バリエーション違い”のモデルも発売されています。少し前で言えば「Limited McCarty 594 Soapbar」があり、最近では Experience PRS で限定発売されたセミホロータイプ「McCarty 594 SH」「Singlecut McCarty 594 SH」もあります。そして、定番のコアモデルとして「McCarty SC(Singlecut)594」があります。

国内入荷が少ない事と諸事情(?)により、当店にはシングルカットのモデルがなかなか入荷しませんが、この度ようやく当店にも入荷しました。せっかくの機会ですので、「McCarty594」と「McCarty SC(Singlecut) 594」との違いを検証してみましたのでご紹介します。

McCarty594 とは?

ビンテージ(レスポール)サウンドをPRS流にとことん追求した”コダワリの結晶”の様なモデルです。ネックシェイプ、ペグ、ボディのキャビティやコンターの面積など、ありとあらゆる場所が練り直されています。弾いた方の殆どが「レスポールっぽいね」と感じてしまうほどの完成度の高さです。ちなみにモデル名にある「594」はビンテージレスポールのスケールを何度か測ったところ「24.594インチ」だった所から来ているそうです。 (ジョン・メイヤーがMcCarty594のプライベート・ストックを使用&絶賛している事でも話題になりました。)

関連ページ(McCarty 594 のペグを検証、 McCarty 594について)

違い(ジョイント部)

シングルカットの方がネックとの接地面積が大きく、カッタウェイのカーブはネックのジョイント部分から加工されています。ネックヒールの形状も工夫されていて、シングルカット系のギターにありがちな「ハイフレットが弾きにくい・・・汗」という事はありません。

違い(ボディの厚み)

ダブルカッタウェイ

シングルカット

ボディバックのマホガニーの厚みが約5ミリほど違う事が判ります。シングルカットの方がマホガニーが分厚く、ボディ全体の厚みもその分厚いです。

違い(全長がやや長い)

右がシングルカット

シングルカットの方が若干全長が長いです。ちなみにスケールは同じですので、ボディの形状に違いによるものです。

違い(サウンド)

ボディ厚の違いや個体差によるところもありますが、シングルカットの方が音の芯が太い感じがします。「McCarty594」特有の繊細な粒立ちに、”パリッ”とする部分を少し抑えて、”ゴツっ”とした要素を足した感じでしょうか。骨太でオーバードライブの音を多様される方はシングルカットの方が好みかもしれません。(不思議な事に、ダブルカッタウェイの方が ”ビンテージっぽい音” の気がします。)

最後に

日本ではダブルカッタウェイが圧倒的に人気ですが、シングルカッタウェイも根強い人気があります。シングルカッタウェイの「ルックスが好き」という方もいれば、McCarty594が発売される前であれば、「ピックアップセレクターの位置の兼ね合い」でシングルカッタウェイを選んだという方もいるでしょう。

見た目や操作性の違いだけでなく、シングルカットならではのサウンドがあります。”自分の好きな音がするPaulReedSmith”をお探しの方はもちろん、音の違いに興味のある方はシングルカットも試してみては如何でしょうか?